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10.記憶以前(3) 

・・・・引き続き西洋社会とトランス。「個人」と「責任」。(と記憶)


ジョン・ロックの「法的個人」と”睡眠者”(スリーパー)

「ロックは、実際には二つのアイデンティティの概念があるため、区別をつけなければならないと考えた。ロックは、自らが法の概念と呼ぶ、記憶と責任に関係するもの「個人(パーソン)」という言葉を選んだ。彼は、ある程度は肉体的連続性に基づく概念をあらわすのに「人(マン)」という単語を選んだ。」


「ロックが唱えた、個人についての法の概念が持つ霊的な力をたどると、我々は少なくとも中世最盛期の十二世紀末から十三世紀にまでさかのぼることになる。
フランスの歴史家アラン・ブーロ?は、「睡眠者(スリーパー)」がこの時期の重要な現象だったことを最近の論文で論じている。これは、ある種のトランス状態に陥った個人をさしているらしく、その後夢遊と呼ばれたものと似た現象である。」


”睡眠者”(スリーパー)

「睡眠者が重要なのは、数が多かったからではなく、それが知的、形而上学的、更には神学的問題に近いものを引き起こしたからである。」


「睡眠者の示す行動は、暴力的なものか、少なくとも禁じられた行動であることが多く、目覚めている時の生活で見せるものとは性格と様式の点で異なるものである。睡眠症状の後で意識を取り戻しても、その時にした行動のことについては、せいぜい混乱した意識があるくらいである。」
「しかし彼らの行動は、意図的行動にしか見えない。このため、当時の形而上学としては、魂が活動していたに違いないということになった。しかしどの魂が?」


「トマス・アキナスの神学の信奉者は、一つの肉体には一つの魂しか存在しないと強く主張する。スコラ哲学的な心理学では、魂は個人の『実体的形相』だった。」
「ブーローの情報によれば、たとえば睡眠者が、通常の状態と睡眠状態のそれぞれに対して一つずつ実体的形相を持つという(中略)少数の反トマス主義者も存在した。」


「これは、責任の問題にとっては重要だ。睡眠者は市民法においては考慮された形跡はないが、教会法では注目されていた
一三一三年の資料によると、もし睡眠者が人を殺しても、罪を犯したという理由で、(正常な状態のときに)その人が、聖職機能から除外されることはないと述べられている。少数派の敗北である。こうして睡眠者は社会的に疎外され、病的なものとされるようになった。」
(アト注)責任能力の免除=存在の実在性の否定。


「支配階級的な哲学によって社会から疎外されると、睡眠者という概念は、直ちに法体系の外に置かれることになった。ブーローは、第二の実体的形相を備えた睡眠者という概念が、魔女の流行の始まりとともに再び現れ、その流行を支える土台の一部として機能したと論じている。」



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