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「東邪」「西毒」「南帝」「北乞」と『射英雄伝』(1) 

射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (3) 射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (3)
金 海南、岡崎 由美 他 (2005/08)
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3.東邪・西毒・南帝・北乞(+中神通)の四方位(人)が象徴する、中国的道徳/価値観の
”曼荼羅”ストーリー編
 達成度50%

実は僕がこのことに特に注意を向けるに至ったのは、PSのゲーム版(amazonにもないや)
PS射英雄伝

をプレー中のことだったりします。
ゲームということでどうしても早足で単線的にストーリーが進む中で、なんかいかにも4人の扱いが雑だなあ、よくよく考えればこの設定はかなりのすぐれもので、極端に言えば郭靖も楊康も、ついでに(笑)黄蓉もうっちゃっちゃって、全然別の面白いストーリーが作れる、それくらいのポテンシャルを持ったものじゃないのかなと今更気付いたわけです。

実際にそれをするには、今の倍くらいの分量または「外伝」の類が必要でしょうけどね。
また次の『神』は、”西毒を中心とした4人の外伝”という読みも出来なくもないものだと思いますけど。
それはともかく。


四方位+1の由来

作中にある直接的な手がかりとしては、北乞・洪七公のこの言葉くらいしかなかったように思います。
(2巻152ページ)

南帝の強さには、おまえの父親(東邪)やわしとて一目も二目も置いている。
特に南の火は西の金を制す、と言ってな、西毒・欧陽鋒にとっては天敵じゃ。


これは明らかに(陰陽)五行説「相剋」という概念を下敷きにしていますね。
詳しくはここなどを参照ですが、簡単に整理すると

 東邪(青龍) ”木”・・・・「木剋土」
 西毒(白虎) ”金”・・・・「金剋木」
 南帝(朱雀) ”火”・・・・「火剋金」
 北乞(玄武) ”水”・・・・「水剋火」
 中神通    ”土”・・・・「土剋水」

と、なります。
()内は四方を守護するとされる聖獣”四神”を当てはめたものですが、それぞれの動物のイメージがかなりそれぞれのキャラクターにマッチしているように見える(水中に潜む青龍、猛り狂う白虎、優雅な朱雀、剛毅な玄武(亀))ので、これもそのまま下敷きとして使われているんでしょうね。

ただしこの「相剋」関係をそのまま使うと、「木剋土」つまり東邪が中神通に勝ってしまって、せっかくの華山論剣の決着がパアになってしまうので(笑)、まず間違いなく金庸はこの体系/関係性を最後までは考えてないでしょうね。単なるハッタリ、もしくはにぎやかし。元ネタではあるんでしょうが。

・・・・というようなことは150%、既に誰かが研究して書いてることと思いますがそれはそれとして。

こうした五行(または四神)図式とそれぞれのキャラ造型との関係ですが、特に根拠はないですがほぼ同時並行ちょい図式先行くらいかなというのが僕の感触。

図式をそれほど理論的に運用するつもりはなくて、それぞれのキャラはキャラとして描きたい内容があってそれを体現する形で作られたんでしょうが、最終的にこの形に落ち着いたのはやはり図式による。
・・・・つまりキャラメインの思考なら3人でも5人でも良かった(実際老頑童もいるし)のが、”4人”にまとめられたのは図式に従ったもの。例えば南帝の印象の薄さは数合わせで加えられたキャラだったからかなとか。


(2)へつづく。


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