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「日本大変」 

日本大変―小栗上野介と三野村利左衛門 日本大変―小栗上野介と三野村利左衛門
高橋 義夫 (1999/12)
集英社

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相変わらずこつこつ読んでます、高橋義夫の本。図書館の書棚完全制覇まで頑張るぞ、おお!
ちなみに暇なのではありません。暇・・・・というか腰を据えて読む時は専ら学術系になります。そこまで落ち着けない時に小説を読みます。別に上下というわけでもないですが、やはり学術系は「入る」のに少し時間がかかるのと、当たりを引いた時の興奮が激しくてしばらくその世界から抜けられなくなったりするので、忙しい時は自重。

さて副題にもある通り、幕臣/商人(三井中興の祖)の違いはあっても同じ志を持って維新前後に日本の近代的市場経済の基礎を築くのに貢献した二人の経済人の活躍と悲運を描いたこの作品は、あろうことか武術の達人が出て来ません(笑)。こんなのも書くんだという感じですが、改めてプロフィールを見ると経済史にも独自の見識を持つ人であるよう。

色々面白かったですが一番なるほどなと思ったのは、現在のように円単一でも金本位ですらもない江戸時代の通貨というのはかなり複雑で、金銀銅に大判小判、各種の銭に藩札の類、様々入り混じって、なかなか一筋縄ではいかない。そのためそこらの商店が普通に貨幣を使うのでもどれをどの用途でどれくらい使うのか、それ以前に持つのか、あるいは使わないで貯蓄用にするのかなど、それぞれの裁量で考えなくてはならない。

つまり例えば同じ小判でも鋳造された時期によって○○小判、××小判と違う種類のものが同時に流通して、主に金の含有量などによってそれぞれの信用度にばらつきがあったりするわけで。一般に新しいものほど信用が無いようなんですが。

だから今だったらあえて「投資」をしようとする人だけが気にするドルで持つか円で持つかみたいなものに近い「相場」、「金融市場」を、およそ経済活動に関わる人は全て気にしていた、せざるを得なかった、自然に投資マインドが磨かれていた。
金で金を生む類の今日でもキワモノ視されるタイプの取引も、むしろ当たり前のものとして受け入れられていたようです。ある意味市場経済自体にまだキワモノ感があったので、「毒を食らわば皿まで」みたいな部分もあったのかも知れませんが。

他ざっと面白かったこと。
・維新前後の「日本経済」はほとんどイコール「三井の経済」で、しかもそれは潰れなかったのが不思議なくらいの綱渡りの連続だった。
・その実は既に老舗の旧弊に侵されていた三井を改革した三野村利左衛門の膝元の店では、一種の商店内議会制のようなものも採用されて役の上下に関係無く直言することが日頃から求められ、主人だろうが番頭だろうが手代だろうが、みんな互いを「あなた」と敬称抜きで呼びあっていた。
・いわゆる「大政奉還」は後の呼称で、当時はもっとあっさり「政権返上」と言っていた。

今日の豆知識。

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