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格闘漫画としての『ドラゴンボール』(つづき) 

気円斬

前回
本題、ですがさほど気乗りしない(笑)。「技」か「心」か


通常戦闘について

前回述べたように時期によってニュアンスは違いますが、しょせんアラレちゃんの豪腕一振りとさして変わらない次元で展開される(笑)ドラゴンボールの「格闘」に、”技”というほどのものは本来存在しません。
要するに「速いか」「強いか」(「つおい」と表記した方が正確かも・笑)の見せっこであって、そしてそれを決定付けるのは問答無用のスペックの差。

そのスペックが際限もなく後出し的に拡張していって単調になったという話を前回したわけですが、おかげでなんかある時期からどんどんパンチやらキックやらの一発一発の意味が抽象化していって、何やら神話の神々の戦いの話のような、ゼウスのいかずちかトールのハンマーか、はたまた下野(しもつけ)二荒山神が上野(こうずけ)赤城山神に放った矢かてなもんで、通常の意味での”技”としての特性などはどっかに飛んで行ってしまいます。

見かけはえげつなくてある意味即物的な描写ではあるんですが、実質的には超常スペックを背景とした超常戦闘、通常戦闘に見せかけた”必殺技”合戦に近い、そういう性格のものだと思います。


”必殺技”について

一方でドラゴンボールにはカメハメ波を筆頭とする、そのものズバリの”必殺技”も多数登場しますが、実はさほど印象に残っていないというか、決定的な要因ではないというところがあります。技自体が本当に”必殺”なのは、それを出すか出さないかが展開を決定的に左右するのはかの「元気玉」くらいなもので、後は生命の危険と引き換えにともかく足止めは出来る天津飯「気功砲」や、実力差があってもとりあえず”斬る”ことは出来る(これについてはむしろ世界観が壊れて気持ちが悪いように僕は思うんですが)クリリン「気円斬」とかが目立ったところ。
「太陽拳」とか「魔封波」とか、特殊技はまあ別格で。

他にも色々ありますが、なんかどうでもいいというか扱いが雑というか、なんだよ魔閃光って突然とか、ビッグバンアタックって名前がダサいから使わない方がいいと思うよベジータとか、そんな感じ。
ただだから駄目とかそういう話ではなくて、むしろこれは『ドラゴンボール』の特徴、仕様と、そう言った方がいいんでしょうね。”ジャンプ系バトル漫画”の代名詞的存在ではありますが、ドラゴンボールそのものは必ずしも”必殺技”に全てを収斂させる単純な構造にはなっていない。『リングにかけろ』のようには、『キャプテン翼』(バトル漫画でしょ?これ)のようには。

・・・・ていうかむしろ後年になると”必殺技”使用時の方が運用や戦略の妙が際立つというか逆にリアリティがあるというか、そんな気もするんですが。最初から抽象的、一種の「記号」であるのがはっきりしているのがいいのかなと。


「気」とか、「心」とか

ここらでまとめに入ります。
「カメハメ波」「元気玉」以下、ほぼ全てのドラゴンボールの”必殺技”の元となっているお馴染み「気」については、類例に漏れず気は気だというだけで特段の説明はありません。
効果としても、元気玉やハマった時のカメハメ波のように相手を消滅させる(溶かす?)といういかにも”必殺技”然とした表現の時もあれば、一方で力関係によっては普通に跳ね返されたり効かなかったり、通常の物理攻撃と同様の描写をされる場合もあります。

はっきり言ってここらへんは特に整理も理論化もされてないと思うので、個別のシーンを下手に「研究」するとかえって分からなくなるだろうと思いますが(笑)、要するに「強いものは強い」「『気』合いで勝れば勝つ」というそういう大雑把な感覚(前段落の後者みたいなもの)で作られてるのだろうと思います。

評価としては難しいんですよね。
格闘描写の抽象性や強さの表現の運命論的とも言える問答無用性は、「精神論」や「根性論」のようなそういう土壌にあるものだと思います。
一方で「気」とそこから来る”必殺技”が必ずしもそれ自体としては決定的な要素ではなく、通常攻撃同様戦闘を構成するいち要素としてある意味平準的に使われるのは、むしろ「技」派よりの現実主義的性格だとも言えるかもしれない。

最終的には技術性や物質性をより厳密に、狭義にとって、”「気」の概念によりかかったスーパーマンと超能力のバトルストーリー”という、いささか今更な(笑)レッテルを『ドラゴンボール』に貼り直すことによって、かなり「心」派の極に振れた位置付けを与えてみたんですが。
でもそれ自体としては神秘主義的な馬鹿げたレベルのものだとしても、スペックの差こそが決定要因だという非情さはまったく「精神論」的ではないですしねえ。ううむ。

ま、あんまり気にしないで下さい。(ええー)


次は一転して趣を変えて・・・・にも程がある(笑)吉川英治『宮本武蔵』を。


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