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治療プロセスの定式化(1)  

参考の為に前回のアリソン本についていた、安克昌(故人)による単体で取り上げることも出来そうな充実した内容の解説からも援用する。

(基本方針)

多重人格の治療法にはいくつかの考え方があり、それぞれ試みられて来た。

1.ホスト人格とだけ交渉し、交代人格は無視する。(分裂を認めず、そのことによって患者側の分裂への動きを抑止する。)
2.交代人格を追放・消滅させる。
3.交代人格発生の原因となっている心的外傷体験を処理し、それによって分裂の必要性そのものを除去する。

現在主流となっているのは3の考えであり、以下に紹介するものも全てそうである。

(治療プロセス)

代表的な3人の治療者による定式化の比較表である。























 ラルフ・アリソンの場合
(「解説」より)
クラフトの場合
(同じく「解説より」)
コリン・ロスの場合
(「多重人格者の真実」より)
準備
段階
1.交代人格の存在の認知
2.病態の理性的受容
3.交代人格たちの協調
4.多重人格であることの
感情的受容
1.精神療法の基礎を築く。
2.予備的介入
3.病歴収集とマッピング
・治療者による多重人格の診断の確立。
・多重人格を患者に通知し、交代人格たちと話し合うこと。
・人格統一を目標とすることを説明すること。
・患者やセラピストに危険な場合は身体的拘束が必要なことを説明すること。
・人格システムの構成図を作ること。
心的
外傷

取り
扱う
段階
5.迫害者人格の無害化
6.心理的統合
4.心的外傷の消化
5.統合?解消への動き
6.統合?解消
・交代人格間の記憶喪失の壁を壊すこと。
・抑圧された感情を解放すること。
・交代人格たちとの交渉。
・契約書の作成。
・交代人格たちに迫害者の人格を受け入れるよう説得すること。
・催眠療法。
その
後の
ケア

行う
段階
7.霊的統合
8.統合後の学習
7.新しい対処技術の学習
8.獲得したものの定着化
とワークスルー
9.フォローアップ
 


3つの「段階」、及びクラフトの理論についてのそれぞれへの分類は安克昌による。アリソンとロスについては僕が仮に見当をつけてみた。アリソンとクラフトの項の通し番号はそのまま治療のプロセスを表わしている。
読めばだいたいの事は分かると思うが、いくつか解説を。


#アリソン

2.理性的受容と4.感情的受容

まず多重人格という診断を受け入れることから治療は始まるが、理性的に受け入れることと感情的に受け入れることとの間にはしばしば大きなギャップが存在する。全ての、少なくとも主体となる人格が実感として多重人格という診断を受け入れた時、初めて”本気の”治療を始めることが出来る。

3.交代人格たちの協調

交代人格たち相互のコミュニケーションを助け(「解離障壁」を取り去る)、特に多重人格の最も目立つ現実的症状である健忘・・・・それぞれの人格が互いに知らないうちに勝手な行動(一貫性の無い人間関係や不必要な買い物など)をとらないようにし、生活の安定を図って治療に集中させる。

5.迫害者人格の無害化・・・・前回の統合過程の項参照。

7.霊的統合

通常の統合(6.心理的統合)の後に来る、アリソン独自の過程。ISHという形で示唆された、潜在的なより高次の自己との統合。いわゆる「病気」の「治療」ではないが、「分裂」の「統合」という意味で通常の治療過程の延長線上に置かれる。
・・・・この概念の背景にあるアリソンの独特な人格理論が僕にはまだ良く理解できないので、ざっとだけ説明しておきます。

8.統合後の学習

最終統合したばかりの人格はまだ生まれたての赤ちゃんのように、不器用で、生きるのに慣れていない。
今まで複数の人格で生きることに慣れていたが、これからは一つの人格としての生き方を学ばなくてはならないのである。
大きなストレスを受けると再分離することも多い。そのために、統合後の治療が必要なのである。


・・・・これは安克昌によるクラフトの7?9の過程についての解説であるが、基本的に事情は同じなのでそのままあげておく。


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