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P・D・ウスペンスキー『奇蹟を求めて』 

奇蹟を求めて―グルジェフの神秘宇宙論 (mind books)奇蹟を求めて―グルジェフの神秘宇宙論 (mind books)
(1981/02)
P.D.ウスペンスキー

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多重人格ノートの新作兼、『私の頭の中の消しゴム』で僕が書き殴った、「”人格”と”魂”」の話のフォロー。
いや、書いてから思い出したんですよ。そう言えばあそこにもあんなこと書いてあったなと。何せ結構な昔に読んだ本だったもので。


グルジェフという人

まずこの本の性格から説明しますと、ゲオルギィ・イワノヴィッチ・グルジェフという高名な(いわゆる)”神秘思想家”の言行録を、その一番弟子とも目される著者ウスペンスキーが書き留めてまとめたものです。
グルジェフ自身の手になる著書もいくつかありますが、仕掛けの多い相当に捻った書き方になっているので、一般にグルジェフ思想を学ぶにはこの本が最適とされています。(グルジェフWiki)

僕自身がグルジェフの名を知ったのは、ご多聞に漏れず(?)キング・クリムゾンのロバート・フリップ(Wiki)経由で(あんまりいいのがなかったけどここらへんとか参照)、プログレ/フリップ自体をどちらかというといかがわしく(笑)思っていた僕は「ああ、またなんかこけおどし言ってる」くらいにしか聞いてなかったんですが、ひょんなことからこの本を読んでみたらえらく面白かったので驚きました。
”ハマる”ほど理解は出来なかったんですけどね当時は。その後自分なりに色々知識なり人生経験なり(笑)を積み重ねていく中で、後追い的にじわじわと、ああ、グルジェフが言っていたのはこういうことかなと認識が進んでいる最中というそんな感じ。

まああんまり僕にグルジェフ自身について聞いたりしないで下さい(笑)。答える任にはありません。他に『グルジェフ・ワーク』『注目すべき人々との出会い』の2冊を読んでいます。なぜかそういう趣味の友達に渡された、未翻訳の原稿のコピーなんぞも持ってますが。やだよこんなの訳すの。


グルジェフの「人格」論

膨大かつ複雑かつ非体系的なグルジェフ思想の中で、Wikiにも書いてある宇宙論的な部分などは正直手に負えないというか、はあそうですか、あなたが言うなら某か真実なんでしょう、重大なことなんでしょうと、そんな感じで受け止めるしかないんですが、広い意味で「心理学的」な部分についてなら僕にも何とか対応可能です。

その具体的な内容については次回以降に譲りますが、一言で言うと”多重人格”という症例、及びそれが示唆する人間観、世界観と通じるものが非常にある理論だと思います。だからこそその洗礼を受けて、副次的に僕のグルジェフ理解も進むことになったわけですが。
多重人格が打撃を与えた「人間」や「人格」や「心」に関する、我々近代人の情緒的で誇大妄想的な思い込み、それを剥ぎ取った後に存在している秩序、そういうものについてグルジェフは語っていたわけでしょう。

ここで注意したいのはグルジェフの立ち位置で、つまりロシア/中央アジア出身の20世紀前半に活躍したさすらいの神秘思想家グルジェフは、近年の北米を中心とする20世紀後半に巻き起こった多重人格”ブーム”(及びそれに対する反動)とは基本的に無縁なわけで、そうしたあらゆる”政治”や”影響”とは関係のないところで端的な”事実”として自らの「人格」論を語っています。
それだけに読む側には新鮮であり、衝撃的であり、汲むべき独自の価値もあると、そういう風に言えるのではないかと思います。

ただしグルジェフは同時代の心理学全般には、最終的にとても批判的ですがかなり通じていたようで、用語法自体はそれらを意識し、ある意味での理論的連続性はあると想定して読んでいいようです。参考までに代表的な心理学者/精神医学者とグルジェフの活躍時期を重ねてみるとこんな感じ。

シャルコー 1825?1893
ウィリアム・ジェームズ 1842?1910
パブロフ 1849?1936
フロイト 1856?1939
グルジェフ 1872?1949
ユング 1875?1961
エリクソン 1902?1994
スキナー 1904?1990
マズロー 1908?1970
『失われた私』(”シビル”) 1973

・・・・面白くなってついつい沢山挙げちゃいましたが。(笑)
シャルコーは特に催眠術の実践的治療家として知られる精神分析の祖の一人。
ジェームズはある意味グルジェフ同様、「外」の視点から心理学を研究した哲学者。
エリクソンは『アイデンティティ』の、マズローは『自己実現』の教祖。
パブロフとそれを元にしたスキナーの”条件付け””行動主義心理学”は、グルジェフと(知らず)同調的に、また多重人格の先触れ的に、「人格」幻想を攻撃した思想。
『失われた私』は現代多重人格運動の先駆的名著。

ま、こういう時代の人です。
次回まずはグルジェフの自己論、(多重)人格論から。「人格と魂(グルジェフの場合は”本質”)」についてはその後で。


・・・・しかしエリクソンとスキナーとマズローってほとんど同時代なんだなあ。意外。すげえライバル関係だ。(独り言)


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